建築学生の建築旅行記.  一人でも多くの人に建築を身近に感じてもらえれば... 旅行の参考にもぜひ!


by dimensions11

0810.Praha-2

ホテルの部屋から
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ホテルの部屋の窓を開けると、なんともカラフルな外壁を持った建物が隣接していたことがわかった.建築としてどうというものではないけれど、こういう遊び心大事だよね.


KOTVA Department Store
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Vera MachoninovaとVladimir Machonin設計(1974).この建物、ちょっくら変わっているのだ.このファサードの形から予測できるだろうか・・・そう、完全な六角形プランになっている.まさに建築初学生が時たまやってしまうような設計が現実化されている.プランが六角形になっているからといって、特にフロアの使われ方が変わっている様子も無く、正方形グリッドに店舗が納まる一般的なデパート同様に、六角形の中にショップが展開されている.そもそも、デパートで壁というものを意識しないように、KOTOVAでも内側から、六角形の壁を意識することは無い.結局、デパートなんてただの箱でしかなく、貸しビルと同じで、各ブランドに貸せる床面積さえ稼げていれば、外形はどんな形でもいいのではないだろうか.


MUSEUM of CZECH CUBISM
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この建物は元々、『House at the Black Madonna of the Lord』という.Josef Gocar設計(1912).キュビズムの建築である.現在は文字通り、チェコ・キュビズムの美術館として使われている.
キュビズム(立体派)とは、「それまでの固定的な線遠近法的絵画とは異なり、対象を様々な方向から見たときに目に映る形を切り取り、画面の中に再構成することにより、一つの絵画を作り上げようとする流れ.対象を再現することに縛られず、画面を作者が構成していくことに重点が置けるようになる.」というもの.
そもそも建築というものは「3次元的作品であり、人間がその外部や内部で歩き回り、生活する場である.」という前提を考慮すると、そもそも建築がルネッサンス以降、線的遠近法を基礎とした造形にとらわれていることが疑問である.(線遠近法は固定された視点を基礎とする.)建築と絵画がリンクしあうことは良くあるけれども、キュビズムに関して私が感じる限りでは、建築は絵画以上にキュビズムを表現し切れていないと思う.うすっぺらさを感じた.
しかし、キュビズムが唯一チェコでおいてのみ建築にまで影響を与えたという事実は、チェコの民族性に由来しているように思える.
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ま~階段は、それなりにキュビズムを表現しているのではないだろうか・・・


昼光色白熱ランプ・・・
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タイポグラフィー
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美術館の展示は、チェコのキュビズムの影響を受けた建築の紹介や、家具等が並んでいる.2フロアから成っているのだけれど、各階におばあちゃんが監視をしていて写真撮影を禁止している.嫌な婆さん.狼に食われてしまえ!
で、こっそりこのタイポグラフィーを撮影.個人的に一番興味を惹いたのだ.アルファベットとは違っていて、その理由が分からなかったからなのだけれども.ただ、これもキュビズムといえるのかは疑問だけれど.


Municipal House
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Osvald Polivka設計(1912).シンメトリーな建築で、内部にはレストラン・カフェ・コンサートホールになっている.1階はチェコの有名な芸術家であるミュシャの装飾もある.90年代に一度再建されているらしい.


Church of the Holy Heart
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聖心教会.Josip Plecnik設計(1932).いわゆるゴシック教会とは全く異なる教会.外壁も教会らしからぬテクスチャーである.戸が閉まっていたので、内部に入ることはできないと思い、諦めたのだけれど、どうも入る事が出来たらしい.残念極まりない.帰国後、知り合いの写真を見せてもらったが、非常に後悔が残る.
バラ窓をガラスの時計に置き換えるところも憎い!街の中心としての教会と時計台のコラボレーション!!!しかも、結構綺麗に仕上がっている!中からも見たかった!
ちなみにこれが内観.
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Praha Tower
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聖心教会に入れず落胆していると、プラハには似つかわしい変なタワーが目に入ってきた.このタワーを見つけたとき複雑な心境になった.プラハもやっぱりそうか・・・.
しかし、近づいていくとタワーの足に変なものが付いていることがわかった.そして、それが何か分かった時、はっきり言って笑ったね.なんだありゃ!赤ちゃんがいっぱい!しかも、みんななんで上目指してるんだ?気が付いたら、真下から赤ちゃんのなんとも黒ずんだケツを見つめていた.いや~、プラハは謎が多い.誰が考えたんだろう・・・
カフカの『変身』の芋虫に始まり、ゴーレム、ロボット、(ゴーレム(泥人形)もロボットもチェコが生んだモノ)、キュビズム、地下鉄、ゲーリーの建築.プラハは本当に面白い.
ところで、このタワー、テレビ塔らしいのだが、世界中で高さを競い合っている中、たいして高くはない.しかも、展望室ではまるで競い合っているかのように世界の高いタワーやビルを紹介している.そして、例の如く展望室の入場料は結構高い.
だけど、ほとんど観光客はいないし穴場じゃないだろうか.この赤ちゃん達も見る価値あるだろうし、プラハを上から眺められる唯一の場所だから.


プラハの街
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プラハの街も、建物がしっかりと街区を囲み、中庭を確保していた.街をあるいているだけでは、よそ者の観光客には気付かないことを、上から見ると気付かせてくれる.


Villa Muller
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Adolf Loos設計(1930).最近の建築ブームの中で、彼を取り上げられたことはあまりないだろう.私も建築史で彼の建築を知っているだけだった.
しかし、彼の「装飾は罪だ」という言葉はあまりにも有名だ.しかし、彼の建築はあまりにも装飾的である.この矛盾は・・・と思うかもしれないが、それは彼の言葉をそのまま解釈してしまうからだろう.この住宅を見学しながら、自分なりに考えてみた.この住宅の内部は、大理石やマホガニーを始めあまりにも金がかかっている.まさに金持ちの住宅である.だけど成金趣味ではないだろう.素材の美しさ・素材の持っているポテンシャル(装飾的なものだけれど)を最大限使っているのだ.それは、下らない装飾ではないだろう.これは、分かりやすく言えばベルサイユ宮殿とは違う装飾である.合っているかわからないけど.案内のお姉さんが親切に説明していてくれたけど、全部を理解できるほど私の英語力は無いので、聞き逃していたかもしれない.
この住宅のプランは立方体のヴォリュームの中で、螺旋状に各部屋が配置されている.ツアーで廻っていると、各部屋の位置が分からなくなり、迷いの感覚に陥る.立方体という限られた空間の中で、実際以上にヴォリューム全体が大きいような錯覚を覚える.
私はこの住宅で、プランの凄さと素材の美しさに感動した.
ところで、この住宅、使われなかった時期があり、公開される前まで廃墟となっていた.確かに、この住宅に値段をつけると相当なものだろう.しかも建築家のネームバリューも付くだろうし.その辺も、お姉さんが話してくれたような・・・.関係無いですが、お姉さんも優しくて綺麗な人でした.
ここの見学をする時に、お金を払うんですが、財布にユーロとわずかのコロネしか無く、カードは暗証番号を忘れて使えず、頼み込んでなんとかユーロで払わせてもらったのです.その上、ユーロしか払えないのに、帰りにこの住宅の冊子まで買ってしまて.ユーロが使えないことに苛立ちを覚えたけれど、それはおかど違いも甚だしい.本当に迷惑をかけてしましました.申し訳ない・・・
チェコはこの4月にEUに加盟したけれど、未だ通貨の統合には合意していないらしい.民主化した後、海外資本がチェコに進出してきた結果、自国企業に勤務する人と海外企業に勤務する人との間で、経済格差が開き出しているそうです.従って、EU加盟さらに通貨統合に国民全員が賛成というわけではないようなのだ.
今回プラハを訪れて、私はプラハの資本主義化されていない、のんびりとしたというか、日本みたいにアクセクしていない街に惚れた.そんなプラハもこれからどんどん発展していってしまうのだろうか.


この後、家族が参加しているツアーと合流するため、ツアーで宿泊するホテルへ.
今夜から豪遊旅行が始まる!!
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by dimensions11 | 2004-08-10 01:05 | Czech